富士山登山 吉田口・河口湖口ルート( 初心者コース)

(2003/9/7)  日帰り

8月に某建築会社を辞めフリーになったので当時まだ大学生のクラチョン・ジンケや某航空会社に勤めるガッチャとも会う機会が増えた。以前から飲会の中で「富士山に登ろう!」と度々案が出ていたが、実際登るのは大変そうなので、みんな本気にせず中々実行されずにいた中、ただ一人本気だったクラチョンが行動を起こし、急展開で数日後に行く事が決まった・・・。

当時パソコンを持っていたクラチョンは飲み会の後から登山部部長として計画し、ガッチャの仕事の休みに合わせ9月7日に決行メールが届いた。メールの情報によると初心者ルートの吉田口・河口湖口ルートから登り、富士山は登るのに6時間かかるらしく、出発は前日の夜中に出発して朝の6時から登り、昼に頂上に着いて暗くなる前に下山する日帰りプランだった。泊まりでもよかったがガッチャが8日は仕事がある為弾丸登山に決まった。クラチョンから事前情報のメールが届いた。9月になると山小屋が閉まり始めるが、9月の半ばまでは開いている山小屋もあるそうだ。富士山は気温が低いらしく防寒着や、酸素が薄いらしいので酸素ボンベが必要らしい。
という事でみんな登山初心者で登山の知識がほとんど状態で登る事に。当時インターネットの存在も知らずパソコンを持っていなかったので、持ち物や服装もよくわからず、富士山は樹海みたいな山道をひたすら登るだけだと思っていた・・・。
6日23:00頃、ガッチャが会社の飲会だった様で泥酔で遅れて最後に合流し、クラチョンのステップワゴン号で出発した。まずは登山グッズを買うために近くのホームセンターの「サンオー」(閉鎖)に向かった。インスタントカメラが400円だったので買った。次にドンキホーテに向かった。遭難した時の為に非常食用のチョコレートや飲料水(2㍑の水)、お菓子、携帯酸素(みんなで1本)、安かった怪しい「金太郎」という栄養ドリンク等を買った。ガッチャは登った事のある会社の先輩の教えで携帯用のイスを買っていた。(富士山は混み合うと座って休憩する場所が無いらしい。)
店を出た時には1:00を過ぎていた・・・。クラチョン運転ジンケ助手で千葉県を出発し京葉道路から首都高、中央高速道路に乗り富士山へ向かった。ステップワゴン号は広く快適で後ろの泥酔のガッチャと自分は眠りについた。中央自動車道は明かりが少なく真っ暗で走るのが大変だったらしい。


河口湖ICで高速を降り、コンビニに酔ってから富士スバルライン(普通車往復2,000円・軽1,600円。7・8・9月は24時間営業 2021年現在 普通車2,100円 軽自動車1,680円 営業時間は季節により異なる→)に乗って富士山5合目駐車場(標高2305m 吉田口・河口湖口ルート)に向かった。途中からの富士山の景色も中々な景色だった。
5:30頃富士山5合目駐車場に到着する。(標高2305m すでに雲の上)日曜日だったので駐車場にはたくさんの車が止まっていてたくさんの登山客で賑わっていた。お菓子の袋が気圧の変化でパンパンになていて面白かった。運転のクラチョンと助手のジンケは寝ていなかったので、7:00迄仮眠をとろうとしたが、ガッチャは寝たら中々起きない事で有名だったので、ここで寝てはみんな起きれなくなると判断して、ガッチャを無理やり起こし、6:00過ぎに登り始める事にした。後で知ったが高所では高山病になるらしく、普通は富士山5合目駐車場のレストラン等で食事をしたり2時間ほど休憩して酸素の薄い高所に慣れてから登るのが良いらしい。
車を降り、登山道に向かうといきなり段差のある心臓破りの石の階段があり、疲れて先が心配になった。駐車場の上に着くと神社や売店がありガッチャの先輩の教えで金剛棒(棒の杖 鈴付き 1,000円)をみんな購入した。無料の公衆トイレもあり水洗式で驚いた。山小屋のトイレは有料なのでここで済ませた方がいい。
登山道は最初は林道で、ゆるやかな下り道で途中からまた登りになった。雲の中なのか霧が凄く頭に水滴が一杯付いていて面白かった。高所に慣れていないせいか途中から息をするのが苦しくなり一本しかない携帯酸素をみんなで補給しあった。この後は慣れたせいか息苦しくはならなかった。慣れるまではゆっくり上った方が良さそうだ。携帯酸素4人で1本ではすぐ空になってしまったので一人1本持参した方がいい。馬が歩いていたりしてウンチがいっぱい垂れ流しになっていた。お金を払えば乗せてもらえるらしい。(5合目~6合目 片道6,000円・5合目~7合目 片道 14,000円 2021年現在→

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六合目(標高2390m)に到着した。5合目~6合目までは緩やかな上りや下りだったので、体を慣れさせる為に良かった。この辺は少し広場になっていてたくさんの人が休憩していた。先生に引率されたちびっ子の集団はここで折り返して帰る様だった。この辺に小さな診療所があり富士山頂上までの大まかな地図を配っていたので貰った。吉田口・河口湖口ルートは登り7.5km・下り7.6kmある。富士山の頂上は全く見えず戦場のようなガレ場で殺伐とした雰囲気で少し不安になる。ここまででも結構歩き疲れたので帰ろうかという雰囲気になったが、せっかくなので登る事にした。ここから七合目(標高2700m)迄は整備された九十九折の砂利道をひたすら登っていった。これが結構長く勾配もあり、砂利で滑り、足の疲労がたまり結構疲れた。登っても登っても中々頂上はまだ見えなかった。

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ひたすら少し勾配のある砂利道を九十九折に登っていく。歩いているうちに足を上げると疲れが溜まるので、段差が少ないルートを探しながら小さい歩幅で登っていく。景色はもう雲の上で不思議な感覚だった。遮るものがなく日差しが直射して熱かった。
途中しばらく一緒のペースで登っていた、カップルのお姉さんがガッチャの会社の先輩方等とのバカ話をずっと聞いて面白かったらしく、話しかけてきて仲良くなった。お姉さんは元客室乗務員だったらしく、某航空会社で整備士として働くガッチャは話があっていた。ガッチャは芸能人の川原 亜矢子に似ているといっていた。自分は人から言われるまで読めなかった「HOLLYWOOD」と書かれたTシャツを着ていて、お姉さんに「ハリウッド君」と呼ばれ続けた。二人ともしっかりとした装備で山に慣れている様だった。自分は頭にタオル、Tシャツ、ジーパン、スニーカーの装備だった。しばらくすると、ガッチャはハイペースで登るカップルの人達についていっててしまい置いてかれてしまった・・・。登山は弱肉強食だ。


七合目(標高2700m)からは急に岩場になり、手を使わないと登れない箇所もありしんどかった。岩場には小さな岩がたくさん転がっているので、たまに上から転がってくるので注意が必要だ。登る時も岩を下に転がさないように注意が必要。ルートには鎖で仕切られてわかりやすくなっている。手摺ではなので掴んではいけないそうだ。岩場では手がふさがり金剛棒が邪魔になってきた。(鈴が結構うるさい)途中の山小屋では携帯酸素や水や食料が破格の値段で販売されていて驚いた。


八合目(標高3000m)を過ぎたと思ったら本八合目(高標高3350m)があり、かなりがっかりした。この辺からは断念して引き返すおばちゃんや子供が結構いた。この辺は下山道が無く、狭い岩場の中を降りてくるので道を譲るのがしんどかった。一度止まってしまうと疲れがどっと足にくるのできつい。不眠で登ったクラチョンとジンケは疲れがピークにたまり休みながら少しづつ登ることになり、自分はガッチャを追いかけた。山小屋は上の方になると休むスペースが少なくなっていた。一度ガッチャとカップルの方に追いついて登っていたがまた離されていった・・・。富士山は同じペースで登ってくれる人と一緒に行った方がいい・・・。
九合目(標高3400m)に着き、ここからが一番の難所だった。頂上だと勘違いした白い鳥居をくぐり、さらに急になった岩場を登っていった。ここからは休憩小屋もなく休むような平地は無かった。最後の難関だと信じて勢いで登っていった。頂上手前でガッチャ達に追いつきガッチャは疲れた様子は無く楽しそうに登っていた。


12:00頃? やっと頂上の鳥居が見えてきて、最後のちょっと長い石階段を登り、狛犬に出迎えられ頂上に到着。(白い鳥居から1時間位休まずひたすら登った。)記念にカップルのお兄さんとお姉さんと記念撮影した。


30分後にクラチョンとジンケも登頂した。陽射しが強かったが強風が吹いていて、フリース一枚では極寒だった。ジンケの予備用の上着を貸してもらい助かった。夏場の富士山の頂上は晴れていても最高気温は10度程で最低気温は3℃位らしい。晴れたから良かったが、雨が降ると気温がもっと下がるらしく、山の天気は変わりやすいのでカッパも必需品だった。水は2リットル持ってきたが、寒かったせいか半分も飲まなかった。チョコレートは体の熱で溶けて形が変わっていた。塩分や糖分補給には氷砂糖や、男梅や都こんぶを持参すると疲労回復にいい。富士山にあるトイレは有料で「紙を捨てないで下さい」と書いてあった。隙間風が下から入り、お尻が寒かった。




富士山の頂上には浅間大社の奥宮がありその前で記念撮影。
お腹が空いていたので山小屋で味噌ラーメンを頼んだ。出てきたのはシンプルな「サッポロ一番みそ味」のインスタントラーメンだった。(わかめ入り700円 2021年現在900円)体が暖まり美味しく感じた。
富士山のある途中の山小屋で金剛棒に記念の焼印(200円~300円)を押してもらえるのだが、肝心の頂上の山小屋の焼印は時期が遅くやっていなかった・・・。ガッチャは記念にカップルの方と手書きで書きあっていた。
山小屋で休んでいたら、カップルの方が戻ってきて「お鉢めぐり」は今強風の為危険で行けない事を教えてくれた。

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 カップルの方に火口を見渡せる場所を教えてもらい向かってみた。強風が凄く立っているのがやっとだった。防寒着が必要だ。


物凄い強風で火口に落とされてしまうので岩場にへばりつきながら何とか富士山火口の撮影できた。


写真奥の方がたぶん富士山測候所。火口も見れたし14:30頃下山する事に。
下山道は砂走りといい、砂利の急斜面を九十九折に無理やり走らされる感じで降りていく。勢いあまると崖から落ちてしまうので注意が必要だった。ここで買った金剛棒がスピードを抑えるため役に立った。(下山の衝撃で金剛棒の鈴がどっかに飛んでいってしまった。次の日右腕がかなりな筋肉痛になった。)下る時に砂が凄く舞うのでスニーカーでは砂や砂利がたくさん入った。足首まで隠れる登山靴が必要だった。走って下りるので足にかなり負担がかかりどんどん足は重くなっていく。休むと余計足が動かなくなる。クラチョンはここでドンキホーテで買った格安の怪しい栄養ドリンク「金太郎」を飲み、人が変わった位元気になってガッチャと一緒に走って行ってしまった。気は大事な様だ。
18:00駐車場に戻ってきた時にはもう辺りは暗くなっていた。下山は3時間程かかり登りの半分位の時間だった。駐車場近辺のお店はかたずけ始めていた。駐車場で偶然にもまたカップルの人達と遭遇しお別れした。疲れがひどいので温泉に向かう事になった。車の中は金剛棒が車に4本あり邪魔だった・・・。
車に座ると足がガクガクで、とても運転出来る状況ではなかったが登山部部長のクラチョンはがんばって運転してくれた。帰りの富士スバルラインは霧がかかり前が見えず大変だった。コンビニに着き近くの温泉施設を探した。この時間帯で入れる所は少なかったが、近くに富士眺望乃元湯湯~園 (現在閉鎖) があり向かった。(日帰り入浴1,000円?)健康ランド的な設備だった。湯上りにみんなマッサージ器で体をほぐした。ふくらはぎが気持ち良かった。
21:00頃まで滞在し、ガッチャが明日仕事なのでそろそろ帰る事にした。中央道はまた道は暗く、首都高では渋滞で大変だった。(自分とガッチャは後ろで寝ていたが・・・)そんな中クラチョンはがんばり一人で先発完投した。(ジンケはクラチョンが寝ない様に必死で語りかけていた。)この記録は誰も超えられず伝説になった。

   旅の反省
 山をなめては行けないと思い知らされた。睡眠は必要で高山病対策の為、五合目で2時間ほど休憩する。靴は足への衝撃を抑える為や砂利や砂の侵入を防ぐ為、登山用の足首まで隠れるしっかりとした靴が必要だったし、ズボンもジーパンではひたすら登り道なので足を上げるのに障害になり足が疲れた。遮るものが無いので陽射しもかなり強く帽子と日焼け止めが絶対必要だった。(次の日に日焼けで顔から膿がたくさん出てきて1週間苦しんだ。)服装もTシャツとフリースだけでは寒すぎた。重ね着で体温が調節できるよう上着を何枚か持て来た方がいい。天気が変わりやすいのでカッパも必要だと思った。金剛棒は登りは邪魔だが、下りはかなり約にたった。ちょっと邪魔だが記念になった。下山してきたのが暗くなる直前だったので6:00から登っていて良かった。登っても登っても先は見えずかなり根気が入り、いい経験になった。 (2006/10/12)(2021年)


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